東北最大級のイオンモール新利府から車で約10分のところにある『生石庵』は森の中で週に1日ほどしかオープンしないというちょっと気になるカフェだった。
仙台松島線、いわゆる利府街道を松島方面へ進み途中から惣の関ダムの方向へ進む。そしてダムに沿った道へと入って行くのだが、途中から対向車とすれ違うことができないような細い道になってくる。道の両サイドには木が生い茂り、初めて行く人はこの道であっているのかと不安になるのではないだろうか。だがその思いを汲み取るように所々に小さな看板が『生石庵』の所在を伝えてくれていた。そしてダムの上に架かる橋を渡り少し行くと65年の歴史がある森郷キャンプ場の入口が見えてくる。その左に今回の目的地『生石庵』があるのだ。





こちらの建物は以前はキャンプ場スタッフの住居だったそうだ。2011年の震災の影響でキャンプ場が縮小したため空き家となったその住居を、DIYでリフォームして2017年1月にカフェとしてオープン。キャンプ場にある宿泊施設の厨房に立っていた松田献さんが店長となり、それ以降オリジナルのメニューで客をもてなしている。だが松田さんは現在キャンプ場の管理も兼務しているためそちらの予約状況を踏まえ、カフェのほうは月に数日ほどの営業となっているというわけだ。

ちなみにキャンプ場はキリスト教会が母体となっている。この辺りがまだ村だった頃、忙しい農家の子供たちを教会で預かり面倒を見ていたそうで、その時日本人牧師と共に農村を助けていたという宣教師リビングストンの名前がカフェの名前の由来らしい。リビングストン=生きる石。そして「おいしい」も含めて『生石庵(おいしあん)』となったのだそうだ。

日本人のみならず海外の方も多くキャンプ場を利用するため、こちらのカフェでは和洋折衷のオリジナルな食事を提供している。手間をかけて丁寧に作る食事は1種類のみ。取材に伺ったこの日のメニューは出汁をしみ込ませた仙台麩のてんぷらと、蒸し鶏を挟んだごはんサンドだった。全体の味のバランスも良く、サクサクの衣がアクセントになりとても美味しい。他にも月に1度、スパイスカレーの日があるそうで、その日を狙ってくる常連さんもいるようだ。




またコーヒーが好きな方には自家焙煎のオリジナルブレンドをお勧めする。ローストしてから10日以内のコーヒー豆しか使用しないというこだわりを持っており、鮮度の良いコーヒーが楽しめる。


店内はゆったりとしたスペースで窓から見る緑がとても眩しい。そして建物の外にもたくさんの席が用意されており、そこはわんこと一緒に利用することが可能だ。



森林とダム湖に囲まれたこの場所は空気が澄んでいて利府の中心地より2、3度気温が低いようだ。だからこの猛暑でも自然の中のオアシスにわんこ連れで訪れる人が多いというのもうなづけた。
春は新緑、夏は避暑、秋には紅葉、そして冬は雪景色が美しいという『生石庵』。
はじめはちょっと勇気がいるかもしれないけれど、森の中の素敵なカフェに愛犬と一緒に訪れてみてはいかがだろうか。
(取材:NAOKO)
森の中のカフェ 生石庵
【住所】利府町森郷内の目南70-2
【電話番号】022-356-2045
【営業時間】11:00 – 16:30
【営業日】週に1日ほど(Instagramにてご確認ください)
【駐車場】あり
【Instagram】https://www.instagram.com/oishiancafe/
【ペット】テラスのみ・大型犬 OK・ペット用食事なし・予約不可
~他のお客様の迷惑にならないようにマナーを守って利用しましょう♪~
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