7月16日(土)ダイシン柳生店にて猫の譲渡会が行われた。
譲渡会に参加していたのは子猫と成猫合わせて20匹以上。割合でいうと子猫の方が多かったようだ。前日からの猛烈な雨により県内各地では被害が発生するという荒天ではあったが、たくさんの方が集まってきていた。里親希望でこの譲渡会を目指してきた人もいれば買い物ついでに覗いた人もいるだろう。いづれにしても多くの人の目に譲渡会をやっているということを見てもらえたのは良かった。この中から里親さん候補がどれくらいになるか想像もつかないが、ここで譲渡会をやっていることを知ってもらい、その先の「なぜ譲渡会をやっているのか、なぜ譲渡会をやらなければならないのか」、というところにまで考えが及んでもらえたら・・・。
今回猫の譲渡会を行っていたのは「愛すべき野良猫の会」の面々。そちらの代表の佐藤美紀さん(通称「ゴンママ」)にお話を伺った。本当は譲渡会をやっている最中にお話を伺うのは迷惑になるのではないかと思ったのだが、中継ぎをしていただいたボランティアの方から、普段は仕事をしながら保護した猫たちのお世話や病院受診、正式譲渡先の訪問や野良猫に関する相談などやることがたくさんあり、なかなか時間が取れないということでかえって譲渡会の最中の方が都合が良いので、ということだった。
佐藤さんが本格的に野良猫の保護活動を始めたのは震災直後だったそうだ。それ以前からも少しづつ保護活動はしてしたそうで、気づけは15年以上このボランティア活動をしているという。佐藤さんの活動方針は不幸な野良猫がこれ以上増えないように、そして野良猫が地域の迷惑にならないようにTNR※進めていくということだ。だから避妊・去勢手術を施したらもと居た環境へ戻すのが基本ルール。しかし子猫の場合は手術に耐えうる体力をまだ持っていないためすぐに手術をするわけにもいかず、かといって手術ができるようになるまで保護していたらもう自然界に帰ることはできなくなる。だから子猫は保護して里親を探すことになる。
※TNR…Trap(トラップ)・Neuter(ニューター)・Return(リターン)を略した言葉で、捕獲器などで野良猫を捕獲(Trap)し、不妊・去勢手術(Neuter)を行い、元の場所に戻す(Return)こと。望まれない出産をなくし、殺処分数を減らすのに有効な最も手段と考えられている。
また成猫でも病気やケガなどをしていて元の場所に戻せない場合、こちらも保護することになる。病院に連れていきその後もお世話をして命をつなぐことができたら里親を探すことになるのだが、こういったケースはその猫が安心して暮らせる里親さんに巡り合うまで、結構時間がかかってしまうのだそうだ。そう話しながらケガをして傷口にウジが湧いている猫の写真を見せてくれた。目をそむけたくなるような猫たちも命ある限り一生懸命お世話をしているのだ。
佐藤さんは現在たくさんの保護猫を抱えている。これ以上になると目が行き届かず、体力的にもパンクしてしまうので現在基本的には保護活動は控えているそうだ。すこしでも早く譲渡先が見つかるように、そちらに重きを置いているようだ。
話を聞いている最中今度は佐藤さんのTwitterを見ている方が活動資金として使って欲しいと募金を持ってきた。こういう善意が集まって保護活動は成り立っているのだろう。
思い切って佐藤さんに尋ねてみた。毎日大変な思いをしていて止めたくならないのですか?
その答えはすぐに「止めたいよー」と返ってきた。しかし「でもそこに命がある限り、ここまででおしまい、と線は引けない。保護した猫たちに対して責任があるものー。」「それにね、譲渡先で猫が自由に走り回ったりおやつをもらったりして愛されている動画とか送られてくるとなんかパワーをもらうんだよね。猫を助けて人に助けられている。」と笑顔で話してくれた。
愛すべき野良猫の会の譲渡会は今後も毎月定期的に行われる予定だ。とてもかわいい猫たちが終の棲家を求めて待っている。少しでも保護猫に興味が湧いてきたら是非譲渡会に足を運んでみてほしい。
(取材:NAOKO)
愛すべき野良猫の会 ★譲渡会 定期開催中
【日時】毎月第3土曜日 12時~15時開催
【場所】ダイシン柳生店 仙台市太白区柳生7丁目4-1
【HP】 https://aisubekigonmama.amebaownd.com/
※希望の猫が見つかってもすぐには連れて帰ることはできません。詳しくは当日スタッフまで。
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