昨年1月にオープンした「ねこのいるカフェ ねこあん」は8匹の保護猫がスタッフとしてお客様をお迎えしてくれる。どの猫も以前は野良猫だったそうだが現在は人慣れもしており、しっかりスタッフとして働いている。働き方は猫それぞれのスタンスで、そっと寄り添うようにいてくれる猫もいればチョイチョイとちょっかいを出してくる猫もいる。遊ぶのが大好きな猫もいるし、おもちゃに見向きもせず一人静かに寝ている猫もいる。年齢も数か月の子供から10才越えのベテランさんまで様々だ。
現在の1番人気はあなごくん(1才4か月)。まだ若いのだがどこか貫禄があり店主曰く「なぜ人気があるのかわからない」そうなのだが寝ているだけのあなごくんに癒される人が多いようだ。
2番人気はお鼻の所に模様があるがんちゃん(10才)。おじいちゃん猫でかなり心が広いのだとか。怒るということをせずいつも穏やかに過ごしている。
そして3番目に人気なのはちるちるちゃん(5才)。ちょっとビビリちゃんでくいしん坊。おやつが大好きなようでちょっとだけメタボちゃんかな。
こちらのお店は猫に癒されたい人の憩いの場としての役割の他に、不幸な野良猫を増やさないための情報発信・情報交換の場であり、また保護猫たちの嫁ぎ先をみつける出会いの場としての役割も持つ。店主の千葉さんは野良猫のTNR活動をしており捕獲した猫を動物病院へ連れていき不妊手術をして元の場所へ帰している。その手術の費用をカフェの運営や理解ある人の募金などで賄っているがそれだけでは足りないのが現状のようだ。また地域には無責任に餌を与えている餌やりさんも多いようで千葉さんは可愛いからとか可哀そうだとかいう気持ちを持って餌を与えているのであれば、是非不妊手術をしてほしいと強く願っている。しかし不妊手術の必要性をいくら話しても理解してもらえないのが現状。聞く耳を持たない人も多いらしい。そこで千葉さんは目先を変え、ねこカフェに来てくれている子供たちや理解のある大人の方に不幸な猫が増えないためにできることや命の大切さなどを伝えている。実際に県外から遊びに来た学校の先生がここで聞いた話を生徒たちに話したことで子供たちが関心を持って自分たちの住んでいる地域の現状を調べるということをしたそうだ。
TNRのために捕獲した猫の様子をみて人慣れができそうな猫や元の場所にかえした時に生きていけなさそうな猫は自分の所で預かり譲渡をしているそうだ。保護猫を飼いたいという人と面談をし、猫を飼う環境の確認や一緒に生活することの大変さなどを十分に伝え条件が揃えば譲渡を前提にトライアルをしてもらう。そして問題がなければ正式譲渡となる。昨年は20頭の譲渡をしたそうだ。
譲渡先から、猫を飼うことでそれまで何もしなかった子供が一生懸命お世話をしているという話などを聞くと、その子の成長に良い影響をもたらした事と、暖かい家庭に嫁いだ猫の幸せを感じずにはいられないそうだ。
「のら猫が集まってきたらぼってください。」
地域の人が発した言葉が千葉さんの耳に強く残っている。
「のら猫が集まってきたらしっしと追い払ってください。」そう言われたそうだ。
それでは何も解決せず問題は増えるばかり。
一人ではできることが限られるがそれでも千葉さんは頑張っている。「ねこカフェ ねこあん」を通じて理解者と協力者が少しでも増えることと保護猫の幸せな嫁ぎ先が見つかることを強く願わずにはいられない。そしてこのARCHE!の記事が少しでもそのお手伝いになればと考える。
(取材:NAOKO)
※TNRとはTrap(捕獲)し、Neuter(不妊手術)をして、Return(元の場所に戻す)というそれぞれの単語の頭文字をとった言葉で不妊手術をした猫の耳先は目印にカットされる。その形からさくら猫とも呼ばれている。
ねこのいるカフェ ねこあん
【住所】登米市迫町佐沼字-光が丘47-2
【営業時間】10:00~最終入店16:00(17:00閉店)
【定休日】変更あり インスタにて要確認
【駐車場】あり(狭いのでお友達と来られるときは乗り合わせでお願いします)
【Instagram】https://www.instagram.com/necoann2/
【料金】入店料500円(70分利用可)
【お約束】手洗い・消毒の徹底
靴下、マスク着用
一人1品カフェメニューを注文(ねこ用おやつ除く)
その他のお約束事はお店にお問い合わせください
動物取扱番号 3190413
猫の引き取りは行っておりません。地域猫(野良猫)に対しては各自責任ある行動を。
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