以前ご紹介したNPO法人ふるれっと。(→以前の記事)
就労継続支援B型事業所として障害を持つ人たちと共に活動をしている団体だ。その主な活動は、レスキューされた保護犬やブリーダーとしてふるれっとで生まれた犬たちのお世話をし、新しいおうちに繋いでいくというもの。
そんなふるれっとでは巣立った犬たちや迎い入れてくれたファミリーとの縁を譲渡の際の1度きりのものではなく、その後も繋いでいきたいという思いから「犬の実家帰省会」というものを開催している。
今年で2回目となった犬の実家帰省会は10月29日(日)、ふるれっとの近所にあるドロキャン新川で開催された。ふるれっとのスタッフや利用者が作ったお振舞いをいただきながらビンゴ大会で盛り上がり、また参加した里親さんどうしの交流などもあり楽しい1日となったようだ。一時的ではあるがふるれっとでの生活や一緒にいた仲間たちをきっと犬たちも懐かしんだことだろう。
今回は16組の里親さん総勢40名と犬が19頭、宮城県だけではなく、秋田・山形・福島など他県からも帰省してきたそうだ。そんな中から2組ほどお話を伺った。
保護犬のぼーちゃん(左)と先住犬のぺスちゃん(右)
ぼーちゃんを迎い入れたのは2021年の1月。ブリーダーの飼育放棄により、ふるれっとで保護されたぼーちゃんは一度別の里親さんに引き取られたがうまくいかず、出戻りとなってしまった過去がある。そのためかとてもさみしがり屋なのだそうだ。
現在は先住犬のぺスちゃんと共に福島の喜多方で暮らしている。ご飯が大好きで朝夕のお食事タイムになるとご飯ご飯と吠えて催促するそうだ。糖尿病を患っており食事の後に注射を打つまでは手がかかるが普段はいたって大人しいとのこと。先住犬のぺスちゃんと遊びたいが、ぺスちゃんはそれまで一人っ子だったせいか、あまり関わりたくない様子なのだそうだ。どちらも高齢のため持病を抱えているので病院通いは欠かせないそうだが里親さんにとても大切にされているのが伝わってきた。
チーズちゃん(左)とモモちゃん(右)
先住犬の秋田犬(こちらも保護犬)のいるおうちで過ごしている2頭はどちらもふるれっとから譲渡された保護犬だ。何気なくインターネットの里親募集サイトを見ていたママさんが一目惚れをし、運命の糸に引き寄せられてふるれっとへ足を運んだのがきっかけ。
フレンチブルドッグのももちゃんはマイペースで家では吠えないが外では気の強い一面ももっているのだとか。ミニチュアダックスのチーズちゃんは寂しがり屋さん。ふるれっとではももちゃんとチーズちゃんは一緒に過ごした時期はなかったが、ももちゃんを慕いチーズちゃんはいつもくっついて過ごしているのだとか。2頭とも手はかからないが長い間ブリーダーのクレートの中にとじ込められていたせいかトイレトレーニングがなかなかうまくいかず粗相をしてしまうそうだ。しかし育った環境を理解している里親さんはそれは仕方のないこととして受け止め、家族みんなでとても愛しているようだった。
ふるれっと代表の石田さんは譲渡した犬たちが元気に里親さんとイベントに参加してる様子を見ながら、お散歩ができなかった犬が里親さんと一緒にお散歩できるようになったなどの成長を見ることができとても喜んでいた。
「犬の実家帰省会」は年に1度、来年も開催予定だ。これまでは里親さん同士コミュニケーションをとりながら情報共有できる場としてのイベントとして開催して来たが、次は一般の方も参加できるイベントにして保護犬に興味がある人に実際に飼っている人の声を届けたいと考えているそうだ。
今後、毎年参加者数が増え「犬の実家帰省会」が有意義なものになっていくことだろうと期待しつつ、その反面保護されなければならない犬が減ってくれることを願っている。
(取材:NAOKO)
NPO法人 ふるれっと
理事長 石田 正臣
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