取材日記 2019/11 ARCHE! N°1
宮城県でペットマガジンを新たに発行するということで、どのような方を誌面で紹介したらいいのか、編集長はじめ皆で相談をしていた。ふと記者の家族が、そういえば七夕祭りや青葉祭り、クリスマスのシーズンに二匹のワンちゃんが派手に着飾っていたなぁと言い出した。
「仙台で有名なあのワンちゃんたち、一体どこから来るのだろう。あの衣装はどこで作っているのだろうか、なぜワンちゃんはずっとおとなしくしているのだろう…」
いろいろ聞きたくて街中を何日か練り歩いた。10月中旬、仙台駅の通路で偶然、派手なワンちゃん達が通行人に囲まれているところを発見した。やっと会えたァ!と喜んでお声掛けさせていただいたのが、創刊号の巻頭記事「愛ある生活を求めて」にご登場いただいた山田勲さんであった。そしてミニチュアピンシャーのピン子ちゃんとクリスくんである。
後日、さっそくご自宅にお邪魔する。山田勲さんとお嬢さんの仁美さんがいらっしゃった。そしてかの有名なワンちゃんもこの日はお家でのんびり過ごしている。サイフォンで一人一人に淹れていただいたコーヒーが本当に美味しかった。
ARCHE!創刊号をご覧いただいた読者の方々にはここでお詫びをせねばなるまい。実はこの日、初めて伺った山田さんのお宅には、山田さん親子とクリスくんがいるだけであった。ピン子ちゃんだけがいなかった。
ピン子ちゃんはしばらく前に亡くなってしまっていた。最後に会えたのはあの日、仙台駅の通路で囲まれていたとき、初めて山田さんに声をかけさせてもらったあの日だった。
お二人とも失意のどん底にいらっしゃった。
このような時に取材を受けていただいたこと、心から感謝いたします。きっとピン子も喜んでくれるから、そう仰ってくださったことを忘れません。必ずARCHE!をいい本にしてみせる、心の中でそう決意した。
その日に伺ったお話は勲さんの青年時代に遡り、ピン子ちゃんとクリスくんと日本中を旅したこと、あそこに行った、あの時こうだった、と思い出話がとめどなく。そしてこの先、未来のこと。どうしたらピン子ちゃんがひとりで寂しくないかなど、お二人のいろいろな思いを話していただいた。
さて、詳細の方は本誌をご覧いただきたい。愛犬、愛猫と暮らすすべての人にとって、今を精一杯楽しみ、一生懸命生きて、そしていつまでも一緒にいたいと願うのなら、きっと山田さん親子の心に共感していただけることと思う。
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