「ねこの保護宅」そんな言葉を聞いたことがあるだろうか。

以前ARCHE!で何度かご紹介させていただいた移動アニマルクリニックの浜口先生から「保護猫活動をしている人が『ねこの保護宅』という素晴らしいシステムで活動をしているから全面的に応援していきたいと思っている。」という話を聞いた。一体それはどういうことか?早速先生と共にその活動をされている方の所へ行ってきた。

「おりたてネコものがたり」の代表 岩渕さんと浜口先生

 仙台市青葉区中山。住宅地の中にある古い一軒家である。そこで保護猫活動をしているのは「おりたてネコものがたり」の代表、岩渕さんだ。代表といっても個人で保護活動をされておりボランティアの方たちが猫のお世話などに来てくれているようだ。

 「おりたてネコものがたり」通称「おりネコ」は積極的に情報を発信している。ホームページやFacebookなどを活用し保護してきた猫たちの様子をSNSに載せ里親さんを募集している。他にもボランティアの募集や支援のお願いなども行っている。

 もちろん譲渡会(里親会)も行い、実際に見て、触れて、確かめられる場を設けているがおりネコは譲渡に関してあまり厳しい条件は設けていない。譲渡時に発生する費用も基本的にはワクチン2回分とその猫を届ける往復の交通費くらいしか計上しない。

だが、一般的には譲渡に関して、それなりの費用と年齢制限や家族構成などの条件があることの方が多い。だからそもそも譲渡会に行ってみようとすることさえためらわれている。

さらに動物を飼うにはそれ相当の覚悟が必要だが、特に高齢の方は自分の年齢と猫の寿命を考えて不安が先にたち飼いたいという気持ちを持つことさえも諦めていたりする。

そんな人たちをそのままにしておくのはもったいないと岩渕さんは考えた。だって保護猫ハウスには飼い主のいない猫が沢山いて、更にこれからも保護されてくる猫たちがわんさかいるのだから。そんな猫たちの面倒を見てくれる人は多ければ多いほどいいのだ。

 そこで岩渕さんは譲渡の他に「保護宅」というやり方を考案し行っている。ボランティアと飼い主の中間くらいの位置づけだろうか。自宅で保護猫と共に暮らしながらお世話をする。保護猫がホームステイに来ている(にゃんこステイ)と思っていただければ想像しやすいだろうか。

いつまでという期限はない。条件はペット可の住居に住んでいて、ある程度健康で、猫に名前を付けて(おりネコハウスでは猫を保護した地域名で呼んでおり名前は付けていないらしい)愛情をもって接してくれる人なら何歳だってOK。昼間はお仕事をしている単身者でも大丈夫。ただ、たくさんの先住猫がいる方はご遠慮願いたいそうだ。

獣医師の浜口先生によると、高齢だろうが単身だろうが猫を飼うことに関してなんら問題はないそうだ。むしろ猫がいることで生きがいや生活にハリが出たり癒されたりするなどメリットの方が大きいらしい。特に高齢化社会において、高齢者が安心してペットと共に暮らせる世の中になればそれは素晴らしいことだともおっしゃっていた。

一軒家の和室には保護されたねこたちがたくさんいた

もしも、状況が変わり猫と一緒に暮らせなくなった場合はおりネコハウスに帰してもらう。ここが「保護宅」の保護宅なるゆえんだ。

だからその猫の寿命が尽きるまで面倒を見なくてはならないという強い覚悟はなくても大丈夫。無理な時は無理せず、猫にハウスに帰ってもらいまた新たな人の所で生活してもらう。

それが無責任と思う人もいるかもしれないが、猫にとって飼育崩壊しているような悲惨な状況下で暮らすよりも、また保護猫ハウスの過密な中で暮らすよりも、少しの間でも愛情をもって直接接してくれる人のそばで暮らすことの方が何よりも幸せだということをご理解いただきたい。

保護宅を利用する場合は猫と暮らすことにより発生する費用に関して、おりネコがサポートしてくれるということもお伝えしておこう。詳しいことは直接おりネコの岩渕さんに問い合わせてみて欲しい。恵まれない環境で過ごさなければならない猫たちを1匹でも減らすため、保護宅活動は少し肩の力を抜いてできる里親のようなボランティアなのだ。

保護されているねこたちはどの子も人懐っこい子たちだった

 保護活動というのは寄付やボランティアのおかげで成り立っている。ご多分に漏れず、おりネコも多くの方の寄付やボランティアのおかげで沢山の猫を救ってこられたことに岩渕さんは感謝している。だがまだまだ救いを求めている猫がいる。

保護宅をはじめ、通常の里親となってくれる人、ボランティアでお世話をしに来てくれる人、猫のお世話はやったことがないけど何か手伝いたい人、飼えないしお手伝いにも行けないけど寄付という形で協力したい人など大歓迎だ。そんな方からの連絡をまちながら今日も岩渕さんは猫のお世話に走り回っている。
(取材:NAOKO)

保護ハウスとなっているこちらのおうちは家主から猫たちのために使って欲しいと提供されているそうだ

おりたてネコものがたり
【HP】https://satooyaoritate.jimdofree.com/
【Facebook】https://www.facebook.com/orinekomonogatari
代表 岩渕 涼 【連絡先】070-2026-2352

移動アニマルクリニック浜口
【HP】http://www.animal-hamaguchi.com/

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