遠刈田温泉にある貸別荘の取材のため車を走らせていると小雨が降ってきた。温泉とドッグラン付きという『たびの邸宅aiaiai』 の取材で編集部犬も同行中。この取材先の下調べをしている時に、お庭でわんこと一緒に食事ができるお店が近くにあることを知り、ここで腹ごしらえをしてから取材に臨もうと予約を入れていた。
今年の5月にオープンした『MOKU』 は築54年という古民家をリノベーションしたお店だ。一見するとカフェと言いたくなるような佇まいでわざと古民家風にしたかのようにさえ見えて来る。わんこ同伴で行く事を伝えてあったので到着すると傘を持ってお店の方が現れ、お庭の席はパラソルがあるので濡れないとは思うが、予約をキャンセルしてもらってもいいと言ってくれた。だがこちらのお店では気になっていた「漢方牛」「漢方豚」「漢方米」が食べられるということだったので、キャンセルすることは全く考えていなかった。雨がひどくなったのなら、テイクアウトできるか聞いてみて車の中で食べようかとさえ思っていたのだ。
お庭に案内してもらうとゆったりと配置されたテーブル席が3つ。パラソルは大きめでほとんど風もなかったのでわんこも自分も濡れる心配はなかった。早速車とお庭を往復しながらわんこたちと荷物を運ぶ。その間お店のマスターと先程傘を持って待っていてくれた女性、さおりさんがわんこたちの相手をしてくれていたので助かった。お二人はご夫婦で、今はねこを1匹、それまでは犬をたくさん飼っており、一番多かった時で5頭もの犬と暮らしていたこともあったそうだ。どうりでわんこの扱いが慣れているわけだ。
こちらのお店『MOKU』 で出している「漢方牛」「漢方豚」というのは、栗原市の畜産農家が健康に保ち自然治癒力を高める14種類の漢方を取り入れたオリジナルの飼料で育てている牛や豚なのだそうだ。餌だけではなく傾斜のきつい場所で放牧し、動物が持つ本来の運動能力を活かせるようにすることで健康で丈夫な体に育てている。その結果特有の臭みは低減し、甘みや旨味が凝縮した栄養たっぷりのおいしいお肉となるそうだ。そしてこの漢方牛、漢方豚からできた堆肥を使って育てたのが漢方米と呼ばれている。
気になる漢方牛、漢方豚の事がわかったところで、お店おススメの「漢方三元豚のホルモン定食」を注文した。ご飯の大盛は無料。マスターの話によると当初は職人さんでも入りやすいようなガッツリ飯の定食屋を想定していたそうだ。古民家を購入し夫婦2人でリノベーションしようとしたが、思った以上に大変だと気づき、知り合いの大工さんなどプロたちにお願いすることにしたそうだ。機材を入れた厨房の床が傾いたり屋根裏から大きなハチの巣が出てきたりと色々あったようだが、みんなの知恵と協力で出来上がったお店はカフェのようにオシャレである。でもやっぱりメニューはガッツリ系。
運ばれてきたホルモン定食には鴨肉を使ったポテトサラダやお味噌汁のだしを取るのに使った煮干しや昆布の佃煮が添えられていた。漢方豚のホルモンは柔らかく噛むほどに甘みを感じられ、また絡められているソースがうまかった。このソースはさおりさんが試行錯誤して作ったソースでホルモンの旨味を引き立てている。
定食屋というと、急いで食べてすぐに出る、というイメージだがここではガッツリご飯をゆっくり食べられ、緑に囲まれたこの環境で愛犬と一緒に過ごせるというなんとも居心地のいいお店だった。今回は雨がちょっと残念だったが、少しシャイなマスターや気さくなさおりさんといろいろと話ができ美味しくて楽しい時間を過ごすことができた。
そうそう、ここのソフトクリームは遠刈田温泉の足湯がある神の湯の近くにあった菅井商店から譲り受けたマシーンを使い、同じレシピで作られたもので懐かしむお客さんも多いのだとか。湯上りにすっきりと食べられるシャリシャリっとした感じのソフトクリームの味がここ『MOKU』で受け継がれている。
次は「漢方豚の焼肉定食」を食べに愛犬たちとまた来よう。
みなさんもぜひ愛するペットと一緒に、おいしい定食とソフトクリームを食べに訪れてみてはいかがだろうか。
(取材:NAOKO)
MOKU
【住所】蔵王町遠刈田温泉小妻坂75-23
【電話番号】080-5225-9594
【営業時間】11:00~17:00(LO15:30)
【定休日】月・火曜(祝日は営業)
【駐車場】あり
【Instagram】https://www.instagram.com/moku.anzu/
【ペット】テラスのみ・大型犬 OK・リードフックあり・ペット用食事なし
~他のお客様の迷惑にならないようにマナーを守って利用しましょう♪~