仙台を代表する焼肉レストランひがしやまから「わんぴーす」というブランド名でドッグフードが製造販売されていることは、ご存じの方も多いはず。犬と一緒に焼肉が楽しめる六丁の目店では「わんぴーす」のすべてのご飯が食べられるほか、最近では県内のドッグカフェなどでも提供されるようになってきた。
国産・無添加で食品廃棄物ゼロを目指して真剣に取り組んでいるそのひがしやまとARCHE!が密かに今年の春から動き出していた企画がある。生産者、開発者、飼い主などの愛情がたっぷりと詰まった、『ひがしやま×ARCHE!コラボ企画~わんぴーす~より愛をこめて(仮称)』と題してわんこが喜ぶオリジナルケーキを開発中。試行錯誤しながら何度も作ってきたオリジナルのケーキは、廃棄となってしまう牛たんの皮や豆腐屋から出るおからを新鮮なうちに加工したものと、地元の野菜などを原材料に作っている。栄養も豊富で彩りも良く、犬にも飼い主にも喜んでもらえるケーキとして発売まであと1歩のところまで漕ぎつけた。
そこで今回ARCHE!のモデル犬たちに集まってもらい試食会を行った。はじめに株式会社ひがしやま商品開発担当の大澤さんより挨拶があり、ペットスイーツという初めての分野でこれまで同様、地産地消や食品廃棄物ゼロを目指しながら「ひがしやまらしいケーキ作り」に取り組んできたことや、このケーキを販売することにより障害者の雇用にも繋がることも大事なポイントとして捉えているという話をしてくれた。
またテーブルに並んでいる色とりどりのケーキについての説明もあり、土台の部分(人間が食べるケーキで言うスポンジの部分)は牛たんの皮、おからなどで構成し、コーティングしているクリーム部分はそれぞれジャガイモ、枝豆、かぼちゃ、紫芋などの野菜を使用しているそうだ。着色料は使わずに野菜の持つ自然な色が食欲をそそらせる。(そそられるのは飼い主の方かもしれないが)
一緒に並んでいたロールケーキは中心部分(人間が食べるロールケーキで言うクリーム部分)は牛たんの皮とおからをメインに、周りのスポンジの部分は小麦粉と廃棄されてしまう卵白を使用しているそうだ。
一通り説明が終わった所で実際にケーキを手に取り愛犬たちの試食会がスタートした。
この日集まったのは小型犬から中型犬までの9頭で、何でも食べるというくいしん坊もいれば外では食べないという犬や好みがはっきりしていて好きな物でなければ口にしない犬などそれぞれの性格があった。さらに愛犬を大事にしている厳しい目を持つ飼い主が食べている様子などを見ながら吟味する。
試食タイムが終わってから各参加者に感想や意見などを出してもらうと、小型犬の飼い主からはケーキの大きさが大きすぎる点が指摘され、サイズ展開を希望する声があがった。また普段は野菜を食べないという犬の飼い主からは最初は食べなかったが少し時間が経ったところで食べ始めたのでよほど美味しかったのだろうという感想も出てきた。また原材料が牛たんの皮、おから、野菜ということで安心して与えることができ、おやつというよりもその日の食事として食べさせられることができるのが良いとの意見も出てきた。
その他にも出た貴重な意見や感想、またアンケートの回答なども踏まえながら来年2月の販売開始を目標に次のステップへ進むこととなる。
最後に開発担当の大澤さんに今回の試食会の感想を伺った。
「実際にわんちゃんに食べてもらい、その食いつきの良さに安心しました。わんちゃんが敏感に感じ取る匂いの事などもご意見をいただきましたので、そのあたりも研究しながら更に完成に近づけたいと思います。また手作りのケーキのため見た目の統一や野菜のクリームをより滑らかに塗ること、解凍した時の崩れ具合などの課題も引き続き解決していきたいと思います。今回の試食会は大変参考になりました。ありがとうございました」
種類も豊富でとっても美味しそうなひがしやまのオリジナルケーキ。わんこたちがあんまり美味しそうに食べるからちょっとつまみ食いしてみたら…想像をはるかに裏切る素材の素朴な味だったけど、わんこには大好評でした。これまで3度の試作をみてきたARCHE!編集部は試食会に出てきたケーキの出来栄えにほぼ完成か!?と思いましたが、まだまだ追求していくようです。実際に商品化される時はどんなケーキになっているのか、皆さんも発売を楽しみにしていてくださいね。
(取材:NAOKO)