——— 問題です。県内では田畑を荒らすイノシシを年間約1万頭駆除しますが、駆除されたイノシシが食用となるのは何頭位でしょうか?
問われたので1%の100頭くらい?と答えたが不正解。答えはゼロ。宮城県では現在食肉として流通することはなく、焼却か山に埋めているそうです。
大和町の国道457号線から少し細い道に入っていくと「自家製粉」「手打ちそば」ののぼりが見えてくる。そこを右に折れ敷地内に入っていくと大きな平屋が現れる。
一見すると農家のお宅のようだが…実はここは手打ちの10割そばが食べられる蕎麦屋「七ツ母里(ななつもり)」なのだ。ここでは蕎麦の他に山菜やキノコなどの山の幸やイワナや鰻などをいただくことができる。
そんな蕎麦屋の店主は天然の鴨を振舞いたくて狩猟免許を取ったのだが、それがきっかけとなり現在は蕎麦屋をやりながら田畑を荒らすイノシシなどを駆除するハンターとしての活動もしている。
ハンターとしての活動をしていくうちに駆除されたイノシシが廃棄されていることをもったいないと感じた。同じように蕎麦屋をやっているために見えてきた食料ロスにももったいなさを感じどうにかできないものかと試行錯誤してたどり着いたのがペット用のフード(おやつ)を作ることだった。
現在は石巻で捕獲したニホンジカの生肉(冷凍)や肉や骨をジャーキーにしたもの、本マグロの捨てられてしまう血合いの部分などをジャーキーにしたものなどを製造・販売している。
今年の12月には蕎麦屋の隣に加工場を新設しウナギの頭や骨、馬肉や牛たん、イノシシなどで作られたペットフード(おやつ)を商品化する予定だ。他にも鹿の角や骨を利用したガムなども考えている。
後々にはペットの介護食も作っていきたいとのこと。これは自身で犬を飼うようになりその犬への愛情から派生した考えのようだ。
商品は全て無添加で保存料なども使用していない。ヒトが食べる用に解体処理されたものを使用しペットフード安全法に則り製造されている。ハンター仲間や蕎麦屋の仕入れ先などから捨てられてしまうものを仕入れ、それを自分の所で加工している。少しでも食品ロスを少なくしたいという思いからあまり利益は求めず一般的な販売価格よりも安く求めやすい価格にしているらしい。
ネットでの販売もすでに始まっているが、蕎麦屋「七ツ母里」へ足を運んで買いに来てくれた場合は更にお安くなるみたいだ。土日は蕎麦屋が忙しいので難しいが、平日であれば「こんなフードが欲しい」の相談にものってくれるとのこと。例えば鹿のお肉をミンチにしてほしいとかグリーントライプ※が欲しいとか。
※草食動物の第4の胃。消化促進、丈夫な骨や歯の形成、健康な皮膚と毛艶を保ち、食欲増進にもつながると言われている。
お店に行けない方はインスタからの相談も可能。
最後に素敵な情報をいただいた。現在蕎麦屋の駐車場となっている場所に、ウッドデッキを敷いてテラス席を設ける予定なのだそうだ。そこでは犬連れでも美味しいお蕎麦が食べられるようになるらしい。しかも、犬用のフードも提供できるようにしていきたいと思案中とのこと。
さらには蕎麦屋の裏手にヒトも犬も楽しめるドッグランも作りたいのだと夢を語ってくれた。
大自然の中でわんこと一緒に運動をして、お腹がすいたら一緒に美味しいご飯。最高じゃないか。
まずはテラス席が完成したら再度取材に伺うことにしよう。
(取材:NAOKO)
ペットフード販売 山モリ熊産HIDEKIN
【住所】宮城県黒川郡大和町宮床長倉19
【HP】https://hidekin.base.shop/
【instagram】https://www.instagram.com/yamamorihidekin/
七ツ母里 そば屋
【住所】宮城県黒川郡大和町宮床長倉19
【電話】022-341-1183
【営業時間】11:30~15:00、17:30~21:00(夜は前営業日の要予約)
【定休日】第1・3月曜日、毎週火曜日
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